病院ではなく家をください: チヤィルド•ケモ•ハウスの挑戦

摘要

がんの子どもと家族のための専門施設として日本で初めて神戸に建てられた「チャイルド•ケモ•ハウス」は、小児がんを経験した当事者と家族、医療者、建築家らが分野を超えて理想の施設のあり方を8年にわたって検討を重ね、実現した「夢の病院」である。病院という言葉からは、無機質で冷たい空間、できることなら入りたくない、早く帰りたい空間がイメージされる。温かさや生活感あふれる場所とは対極にあり、それは衛生面や経済性から致し方ないことととらえられてきたのではないだろうか。