建築基準法の適用除外と所有者等の法的責任

摘要

3階建てなどの大型木造宿泊施設の多くは、その建築年代から既存不適格建築物であると考えられる。既存不適格建築物について増築、改築、大規模の修繕または大規模の模様替を行う場合、原則として現行の建築基準法が遡及適用されるため、例えば、耐震改修をしょうとする場合、これが大規模の修繕に該当すれば、耐震や防火•避難などの単体規定あるいは集団規定に関する不適合部分についても改修等が必要になる。その結果、文化的あるいは景観的に価値のある意匠や形態、空間などを継承することが困難になるケースが少なくない。