江の島 湘南港ヨットハウス(湘南港港湾管理事務所)

摘要

江の島ョットハーバーは著名な観光地にありながら閉鎖的イメージが強く,ヨット関係者以外は利用しにくかった。私たちはセーラーのみならず,いつでも誰もが気軽に立ち寄れる「みんなの広場」を軸に構成を考えた。みんなの広場はハーバープロムナードに開け,臨港道路に面してCafeやShopを配置し,まちに灯りや賑わいが参加できるようにした。1階のみんなの広場から2階のイベントホール,屋外テラスへと1枚の曲面屋根で覆い,内外が連続する空間を構成した。イベントホールはハーバーがー望でき,広い屋外テラスとの一体利用も可能,屋上に設けられた津波避難デッキへと海を楽しむ眺望が続く。波をイメージした曲面屋根は,海からの見え方,卓越風の向き,自然光の入り方,構造的制約のバランスボイントを模索して生まれた。一軒無秩序に見える大屋根の切れ目は「オープンビーム」と名付け,様々な機能(自然光取入れや構造梁等)を集約したデバイスとなっている。ハイサイドライトとしては,空間全体に適度な明るさを確保し,朝タにも東西からの陽射しを積極的に取り込む。2,000m~2の大屋根に覆われた内部空間は大空間でありながら居心地の良い様々な場所性を生み出す。