「空間構造における数値解析の基礎と利用上の留意点」

摘要

空間構造とは無柱で大きな空間を覆う屋根構造などを総称するもの です。最近では、窻匠分野におけるデジタル化が急速に進展したこと に伴って設計の自由度が増大し、屋根型の構造以外でも、従来型の 重層骨組構造の範嘛には留まらない場合もあり、そのような構造が空M構造に閱速する力学的性質を有する可能性はぬぐい切れません。 一方、有限要素法を始めとする離散化解析手法は既に設計において 欠かすことのできないツールとなっていますが、数値解析過程のブラッ クボックス化が進み、構造技術者がこれらを使用する場合において解 析手法の選定やモデル化が不適切な場合も少なくありません。高度な ツールが利用できる環境があっても、その使い方や結果の評価に、ま すます高いレベルの知識や経験が要求されるようになっています。