セダット·ハック·エルデム(1908-1988、トルコ):伝統のなかに見いだされた〈モダン〉

摘要

1923年建国のトルコ共和国は、モダン·ムーブメントの申し子である。 古い帝国の崩壊と、その瓦礫から現れた国。450年以上君臨したイスタンブルを捨て、アナトリアの田舎町アンカラが突然脚光を浴びた。 この新しい国は、当時彗星のごとく登場した新しい思潮、モダン·ムーブメントを、自らのスタイルに選んだ。1930年代、新首都アンカラの荒野には、共和国そのもののように、過去から切り離され、清潔で機能的な建物がつぎつぎと建ち並んだ。政府発行の宣伝雑誌『La turquie moderne(モダンのトルコ)』には、アンカラの都市計画や、バウハウス流の機能的な集合住宅、村の近代化が紹介されている。