ボドジャヴィン·チメド(1918-1980、モンゴル):モンゴル国家建築家のパイオニア

摘要

ボドジャヴィン·チメドは、1948年にモスクワ建築大学を卒業し、モンゴル人最初の建築家になった、とされている。これはD·マイタルによる『Cтpoитeльство в MHP』(モンゴル人民共和国における建設、1972)という、社会主義時代の建設のいわば「正史」に書かれている。また現在、モンゴル建築家連盟のウェブサイトでも同じことを確認できる。このように、社会主義時代の公式見解と、社会主義崩壊後の記述に一致が見られ、モンゴル史上、彼こそが最初の建築家だと公認されていることがわかる。近現代における建築家第1号が特定できるという事実がモンゴルの歴史的な条件をよく示している。チメドを例に、この社会主義時代の国家の公式見解であるマイダルの「正史」に解釈を与えることによって、本稿では近代の建築状況をたどる。