都心の都市再生と臨海部をつなぐ都市•大阪の再編集

摘要

バブル崩壊以降の長期低迷を経て、大阪は今ようやく再生軌道を描こうとしている。大阪市区改正設計から100年を経た今、そして、2025年の大阪•関西万博を前に、大阪の都市づくりが目指すべき方向性について考えてみたい。大阪•関西万博の会場、そしてIRの候補地ともなつている夢洲をはじめとする大阪の臨海部人工島は、かって万博の候補地であり、その後、招致に失敗した大阪オリンピック会場予定地でもあった。過密化する都心機能を分担する都市機能の集積を目指したエリアであった。古代の難波律に起源をもち、近世には全国諸藩との交易により発展を遂げた大阪は、港、舟運との関係なしに語ることができない。近世の河川港から明治の大阪築港、昭和（85年に基本構想)のテクノポート大阪計画(咲洲、舞洲、夢洲)に到るまで、大阪の発展の一翼はつねに大阪港が担っていた。