忠臣蔵の聖地、泉岳寺の景観は今…: 歴史•文化•景観をまもるために求められること

摘要

泉岳寺はあの忠臣蔵、赤穂浪士で有名なお寺です。慶長17年(1612年)、徳川家康が幼年、身を寄せた今川義元の菩提を弔うため、外桜田の地に創建したことが始まりです。しかし、寛永18年(1641年)の大火によって伽藍が焼失、三代将軍家光(1604年〜1651年)の命により現在の高輪の地に移転再建されました。この移転の時に、尽力した大名の一人が浅野長直(内匠頭の祖父)で、これがきっかけとなり浅野家と泉岳寺の関係が生まれます。赤穂事件以降は浅野内匠頭、赤穂義士の眠る寺として全国に名を馳せ、今はこの墓所が国指定史跡となっており、山門、中門は港区の登録文化財になっています。その泉岳寺が今創建以来の危機に見舞われています。2014年6月末に突如として起こった、中門横に隣接する8階建てマンション建設計画です。