太陽光発電が大量連系した配電系統電圧制御における蓄電池の地点別価値評価手法の予備的検討

摘要

低圧配電系統における蓄電池の地点別価値を確率論的に示す手法を提案した.これにより,低圧配電系統の末端ノード以外にも蓄電池の地点別価値は存在することが分かり,需要家が蓄電池を購入する際のインセンティブを適正に設定し得ることが示唆された. 今後の展望としては,地点別価値に基づくインセンティブを利用した需要家蓄電池の普及シミュレーションとして,マルチエージェントモデルを適用することが挙げられる.つまり,需要家エージェントに対する蓄電池購入のインセンティブの一つとして,DSOエージェントから地点別価値を考慮したインセンティブを与える,というモデルにおいてシミュレーションを行う.さらにその結果を用いて,逆潮流対策として需要家蓄電池を用いた場合の社会的コストに与える影響を分析し,従来の電圧制御方法と比較検討することが挙げられる.