三軸荷重測定用荷重センサーを用いた歩行時の足裏の荷重分布の測定に関する基礎的研究

摘要

近年，医療，福祉，スポーツの分野において歩行・走行時における足裏の荷重の測定を行うことで歩行・走行の分析や転倒防止，最適なスポーツシューズの設計に応用する研究が行われている．従来の歩行・走行時の荷重測定の手法の代表例として，フォースプレートを用いた計測法がある．フォースプレートにかかる荷重とモーメントを計測するものであり，高精度な計測が可能である．しかしながら，多点での分布計測ができないといった問題がある．また，靴底にひずみゲージを用いた多軸力覚センサを配し，計測した結果がある．さらに，圧電フィルムを用いた薄型かつ柔軟なセンサーをインソールに多数配置することで圧力分布を測定する研究も行われている．しかしながら，面に作用する圧力を計測するものであり，せん断力を計測できていない．MEMS技術を用いてインソール内の垂直荷重と水平荷重（せん断荷重）を測定する研究などが行われており，三軸方向の荷重または応力を測定することが可能なシステムを構築している．しかし，MENS技術により作製したセンサーはアンプにより増幅する必要がある．電磁場など外乱などが生じる場合，アンプで増幅するとノイズが大きくなるため，感度の良いセンサーが望まれると考えられる.