航空機騒音のノイズマップ活用の可能性に関する一考察

摘要

日本では、1973年に航空機騒音に係る環境基準が制定されて以降、航空機騒音対策のために将来の運航状況を想定した予測結果を用いてその範囲を決めている。しかし、対策範囲は示すが、騒音 予測コンター図や実際に暴露されているノイズマップを示した例は多くない。一方、海外では住民説明や情報公開のため騒音予測コンターやノイズマップを公表している事例もしばしば見受けられ る。欧州ではEU Directiveに基づき良好な環境を保っために、環境騒音の統一的な評価方法を定め、 騒音暴露の現況を予測計算により求めた結果を表示•公開することを定めている。米国では連邦政 府が定める空港周辺環境対策のルールに基づき、騒音コンターを示したうえで空港周辺の土地利用 計画を決めている。本報告では航空機騒音予測モデルの概要を示し、国内外の事例を紹介したうえ で、航空機騒音に関するノイズマップの活用の可能性について考察する。