偏光変調を用いた全周型空中ディスプレイの輝度向上

摘要

観察者の全周囲に映像を投影する全周型ディスプレイは，観察者が自由に動き回り，ダイナミックなインタラクションを可能にすると期待されている．我々は，再帰反射を用いた空中結像技術AIRR(Aerial Imageby Retro-Reflector)により，再帰反射材と円錐形状のビームスプリッター(BS)を利用することで，全周型の空中像の形成を実現した．通常のBS を利用する場合，空中像の輝度が低く，照明下では観察しにくいという問題点がある．そこでAIRR に偏光変調を用いて空中像を形成させるために必要な光の利用効率を向上させた技術(p-AIRR : polarized aerial imaging by retro-reflection)3)を，4 面BS による全周型空中ディスプレイに用いることで，空中像の輝度を向上させる手法を提案する．