7.7万個のマイクロウエルを用いたデジタルPCRによる高感度かつ高マルチプレックス遺伝子変異型検出

摘要

がhの診断や治療薬選択，早期発見のため，血液中の浮遊遺伝子の変異を検査する液体生検が注目されている。従来の腫瘍細胞を採取する生検と比べ，低侵襲かつ容易に検査可能であり，個別化医療に向け，早期実用化が期待されている。デジタルポリメラーゼ連鎖反応（dPCR: Digital Polyme Polymerase Chain Reaction）は，標的遺伝子を含むサンプル溶液を多数の区画に分割し，各区画毎にPCR増幅して標的遺伝子を絶対定量する方式である。リアルタイムPCRと比べて，低頻度な変異遺伝子を高感度に検出することができ，液体生検実現の鍵となる技術である。dPCRの性能の重要な指標として，変異遺伝子の検出感度と，マルチプレックス数が挙げられる。血液中に微量に存在するがh細胞由来の変異遺伝子を検出するためには，高感度な測定が必要となる。また，患者やがhの種類によって変異の種類が異なるため，複数の遺伝子とその変異型を同時に検出するマルチプレックス化が重要となる。