工学教育と技術と社会部門（部門活動の方向性に関する考察）

摘要

本論文は，本会技術と社会部門の活動の性格が他部門とは異なること，すなわち「○○力学」?○○機械」に関する(性能向上のための）研究でないこと，そうであるから当部門の活動は必ずしも「初めに機械工学という学問ありき」ではなく，本会会員だけでなく一般市民も含めた人々が機械や道具など「もの」を通しての価値を理解できるようにするための活動，言わば広義の工学教育活動を行うべきであること，を述べるものである．が，このテーマは10分程度の講演では重過ぎるし，そもそも筆者に高所大所から大上段に述べる資格も能力もないので，本報では，部門長経験者の筆者として，当部門と本会発展のための議論を引き起こすために，当部門の「工学教育」に関する活動の現状と方向性について議論する．