マルチチャンネルの音情報を用いた咀嚼と嚥下の自動検出

摘要

咀嚼と嚥下を含む一連の摂食行動は，健康を維持する上で大変重要だと考えられている．ただ，その摂食行動の大半は人間の体内で行われる動作であり，正確な行動データを収集するにはX 線やファイバースコープといった侵襲性の高い手段を用いる必要がある．保健・医療の分野でも，より簡便な測定方法が求められていることから，我々は食事の際に生じる音から一連の摂食行動を自動認識する手法の開発に取り組hでいる． これまでにHybridCTC/Attention model を用いることで咀嚼や嚥下といった一連の行動検出に加え，口腔内での咀嚼位置（前・左・右）の検出までもが可能になることを示したが，その検出精度についてはまだ課題が残っていた[1]．今回，耳下装着の左右マイクの情報に加え，首元装着の上下マイクと口元の接話マイクから得られる音情報の活用を試みた．その結果，特に前咀嚼や嚥下についてさらに安定した性能を得られていることを確認したので報告する．