光駆動型自律振動ハイドロゲルの検討

摘要

温度応答性のハイドロゲルに光-熱変換能の高い有色顔料をコンポジットすることにより、比較的容易に光応答性ハイドロゲルを調製できる。LCST型の挙動を示すハイドロゲルは、光一熱変換に伴う加熱量と外部溶媒からの冷却量が昇温過程と降温過程で逆転するため、定常光の照射雰囲気中で体積を振動させる光駆動型の自律振動アクチュエータになり得ると着想した。この際、温度ヒステリシスを有するゲルを用い ると膨潤温度と収縮温度が異なり転移点で収縮力と膨潤力のつり合いが回避できるため、効果的に周期運動 が生じると考えられる。Poly N－normalpropyl－acrylamide（PNNPA）ゲルは、温度ヒステリシスを有する温度応答性材料であることが知られている。そこで本研究では、PNNmゲルに有色顔料Carbon Black（CB）をコンポジットしたCB－PN他の光照射時における体積変化挙動の特徴について検討した。また、対照実験として温度ヒステリシスを示さないPoly N－isopropyl-acrylamide（PNIPAM）ゲルについても同様の検討を行った。