送信波および測定系の影響を考慮した位相干渉に基づく測距法を利用した超音波画像装置における伝播時間推定

摘要

近年，ヘルスケアへの関心の高まりを受け，生体の皮 下脂肪厚や筋肉厚などの体組成の計測を目的として，簡 易型超音波画像装置が開発されている[1]．われわれは， 送信波と反射波の干渉により生じる定在波を利用した近 距離計測法[2] を超音波画像装置へ応用し，より簡便な 体脂肪厚や筋肉厚の計測装置の開発を目指している．本 手法は送信波および測定系の影響を低減させるため，対 象物のない状態の観測波を必要とするが，対象物のない 状態の観測波を用いることは現実的ではない．そこで， 本稿では，対象物のある状態の観測波のみを用いて伝播 時間を推定する手法を提案する．