( S9.21-S0094) 熱伝導解析および熱力学データベースと連携したマルチフェーズフィールド法を用いた積層造形用電子ビームによる溶融凝固組織形成の解析

摘要

高出力の電子ビームを用いた積層造形法では、照射時の微細な溶融池の温度は数千°Cに達し、凝固時の冷却速度は数十万K/s 程度となり、かつ大きな温度勾配も生じる非常に強い非平衡過程であると考えられる。そのため、既存の局所平衡仮定に基づく凝固理論の適用が可能であるかの判断が困難であり、凝固組織形成に関する数値シミュレーション手法の検討はあまり行われていなかった。しかし、最近の組織観察実験によると柱状－等軸晶遷移が観測されており、これは組成的過冷却に基づく凝固理論が適用できる可能性、すなわち局所平衡仮定の成立を示唆している。