カルシウム系防せい剤を用いた鉄筋防せいペースト及び断面修復モルタルの防せい性

摘要

マクロセル腐食は，未補修箇所と補修箇所の電気化学 的性質が異なることに起因して，境界領域を挟hで局部 電池が形成され，未補修箇所の鉄筋が腐食する現象であ り，補修に伴う腐食（Repair Induced Corrosion）と称され る。鉄筋コンクリート構造物の断面修復においては，こ のようなマクロセル腐食の発生を抑制する補修材料及び 工法が求められている。 そこで，本研究では，マクロセル腐食の抑制効果に優 れた断面修復材及び工法の開発を目的に，新規なカルシ ウム系防せい剤1)を用いたポリマーセメント系鉄筋防せい ペースト及び断面修復モルタルを調製し，棒鋼を鉄筋防 せいペーストで処理した後，断面修復モルタル中に埋め 込hだ場合のそれらの防せい性について検討している。