微小孔アレイを用いたミクロンサイズ細胞外ベシクルの生成分離

摘要

ヒトBリンパ球様細胞Ramos に酪酸ナトリウム（Sodiumbutyrate; NaB）を作用させアポトーシスを誘導することで、ミクロンサイズのベシクル（細胞外小胞）を大量に生成させることができる（図1）。このベシクルは親細胞の細胞膜と同じ組成の膜成分を有しているため、親細胞より引き継いだ完全なヒト型膜タンパク質を本来の構造と機能を維持したまま保持していると考えられる。したがって、予め遺伝子導入により所望の膜タンパク質を細胞に発現させておくことで、膜タンパク質をターゲットとした創薬、ドラッグデリバリーシステム、人工細胞研究等に有用なベシクルを獲得することが可能になる。さらに、培養スケールを上げることで、そのようなベシクルを大量生産することが可能である。