格子ボルツマン流束解法を用いた超音速直線翼列流れ解析

摘要

格子ボルツマン法(LBM)は，離散的な速度分布をもつ粒子の分 布関数の時間発展を計算することにより，流体運動をシミュレー ションするもので，今後の発展が期待されている(1)．しかしなが ら，格子ボルツマン法の研究の多くは非圧縮性流れの解析に限ら れており，圧縮性流れに対する研究は少ない．その理由として， 圧縮性流れに対するモデルは，非圧縮性流れに対するモデルと比 べて，やや複雑であることと，計算において不安定なモデルが多 いことが挙げられる．特に，超音速流れへの適用はかなり困難で ある．この原因は，モデルの限られた粒子速度で高い運動量を表 現できないことに起因する．