格子ボルツマン法を用いた浮遊物体を含む自由界面流れのシミュレーション

摘要

固体を含む自由界面流れは，津波や土石流などの防災 工学から湿式ボールミルなどの化学工学などの様々な場 面で現れる．特に津波では，津波で流された瓦礫や流木 による被害が大きく，津波の被害予測などのために瓦礫 を含hだ津波の数値解析が必要とされている．瓦礫を含 む津波の数値シミュレーションは，流体-構造連成解析 をやりやすいSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics) や MPS(Moving Particle Semi-implicit) などの粒子法を用い て行われており(1)，Level Set 法やVOF 法，Phase-field 法 などを用いた格子計算ではあまり行われていない．その 理由として格子計算による自由界面流れの計算では各相 の保存性の問題がある．VOF 法などでは格子に沿わない 複雑形状の物体や移動する物体を含む流れでは各相の体 積が保存せず，物体の移動により液相の体積が増減する といった非物理的な現象が起こってしまう．