高齢者·ロービジョン者の文字探索

摘要

本研究は,，高齢者やロービジョンが駅構内を歩くと きに目的とする情報を，どのように得ているかを視覚探索の面から検討したものである.Triesman &Gelade以 来の視覚探索の研究では，複数個の幾何学的パターンの 中から色や傾きの異なるパターンを検出して，そのとき の反応時間を求めるというものである.彼らの研究結果 によると，提示されるパターンの数（set size)が増すと， 反応時間が長くなる場合と大きな変化がない場合がある. 前者が逐次探索であり，後者がポップアウト探索である. また，Nagy and Sanches は，色を用いた視覚探索の研究 を試み，target検出における色差と古典的な色弁別閾と は異なることを示した.他方，Yoshida,etal の変化の見 落とし（change blindness)研究では，加齢や視力の効果 が探索時に顕著に認められることを示している.