極低温ポンプを想定した超電導リニアモータの改善

摘要

近年，液体窒素や液体ヘリウム，液体水素などの極低温液体がさまざまな場面で用いられる．例えば，MRIや,リニアモータカーには，超電導コイルが用いられるため極低温液体で絶えず冷却させる必要がある．宇宙開発分野では，ロケットの燃料に液体水素と，酸化剤としての液体酸素が使われているものもある ．今後も我々の生活の身近なところで極低温液体が用いられ，その需要は増加すると考えられる．そこで，本研究では，極低温液体を比較的容易に移送するためのリニアポンプのためのモータを，高温超電導コイルを用いて作製することを提案する．高温超電導体は低温に冷却することによって電気抵抗がゼロとなる物質で，大きな電流を損失なく流すことができる．そのため，高温超電導コイルは，大電流で高磁場を発生させることが可能となる．