柔軟はりの放射音特性に着目した1次元ニアフィールドスピーカに関する研究

摘要

音は情報伝達の観点からすると，我々の生活にとって無くてはならない存在である．しかし，受音者にとって不必要な情報をのせた音は騒音になり得る可能性が高く，また，受音者は地震に届いた音を選択する余地がないため，騒音問題として取り上げられることが多い．このような状況から，情報伝達の役割を担う音というのは，その音を必要とする人には確実に聞き取ることが出来，必要としない人には音が届かない状況が好ましいといえる．近年，音環境を改善する目的で音場の局所化を目指した研究が行われており，特定の方向にのみ音を伝搬させる超指向性スピーカによる手法等が報告されている．しかし，高い指向性を持つ音波ビームは，音波ビームの両側に対する影響は少ないものの，遠方に音が届いてしまう問題がある．