群知能を用いた制振システムの擬似不規則波応答

摘要

蟻の群れは，個々の蟻がフェロモンを介して連携して動き，餌への最短経路を見出すことが知られている．また，鰯は群れをなし，巨大な魚のように見せることで外敵から身を守るとされている．このような機能は群れを成すことによって可能となるようであり，特定の場所にその機能の制御系が存在する訳ではない．このように群れをなすことで高次の機能を持つことができるとき，その群れは「群知能」を持つとみなしている．ここでいう知能とは周囲の環境に適応した問題解決能力のことを指している．群知能は各個体をユニット，個体同士の相互作用をリンクとするネットワークの上に構成されていると考えることができる．このような事例は自然界に数多くみられる．