クライオポンプを対象としたアクティブ動吸振器による特定周波数振動零化制御

摘要

クライオポンプは，極低温の面に気体分子を凝縮または吸着させて捕捉し，それを排気して真空を作り出すポンプである．本研究で対象とするのは，極低温を作り出す冷凍機としてGifford-McMahon サイクル式冷凍機（GM冷凍機）を用いたクライオポンプと真空チャンバとから構成される真空装置である．真空チャンバ上部にGM 冷凍機が取り付けられている．冷凍機内部にはコンプレッサからヘリウムガスが流入?流出する．同時に冷凍機内部のディスプレーサをクランク機構によって上下方向に約1Hz の運転周波数で往復運動させ，ヘリウムガスを膨張?圧縮させる．ディスプレーサに内蔵されている蓄冷材によって熱交換を行うことで，徐々に極低温状態とする．極低温環境下では気体分子が凝着するため，チャンバ内部が極低温かつ真空状態になる．