自動チューニング機能を有する水平TMDの開発

摘要

日本の一般住宅は多くの場合木造の建物であるが，近年の地震対策の重要性の高まりもあり，鉄骨造の建物も多く建造されている．なぜなら，鉄骨造の場合は材質が安定しているために，耐震性能を担保するのに木造より有利であるためである．しかし，鉄骨造の場合は減衰が小さいために，交通振動の問題などが発生する場合がある．そのような場合，一般的にはTMD による対策が有効である．TMD は建物の固有振動数に合わせて自身の固有振動数を調整することが肝であり，必須である．しかし，TMD の固有振動数を設置場所ごとに調整するのは大変手間なために，コストが上がる要因となり，一般住宅へのTMD の普及はあまり進hでいない．さらに，鉄骨造は建物の有効質量が比較的小さいため，家具などのライブロードによる固有振動数変動の影響が無視できず，ライブロードが増えるたびに再調整する必要があり，これも一般住宅への普及が難しい要因の一つとなっている．