超音波接合されたMg_(96)Zn_2Y_2合金継手の微細組織

摘要

マグネシウム合金は実用金属中最軽量であり，高比強度を有するため，軽量化が望まれる輸送用機器の構造材料として注目を集めている．近年，優れた機械的特性を持つMg_(96)Zn_2Y_2合金が開発された．本合金を実際に輸送機器などに応用するためには，加工法など様々な課題が存在するが，接合技術の開発が重要である．我々は以前，本合金に対して抵抗スポット溶接を適用し，欠陥のない接合体の作製に成功した．しかしながら，抵抗スポット溶接では接合部を溶融するため母材と異なった組織が生成し，母材の特性が十分発揮できない問題があった．そこで本研究では，低エネルギー，常温，短時間で薄板の固相接合が可能な超音波スポット接合法に着目し，押出Mg_(96)Zn_2Y_2合金へ応用した．特に本講演では，接合条件のうち加圧力を変化させ接合した接合体について，機械的強度の測定及び，接合界面周辺の微細組織観察を行うことで，接合過程における知見を得ることを目的とした．