間接水冷式地中熱ヒートポンプの冷暖房運転時の熱交換性能

摘要

地中熱は，2010年に再生可能エネルギーとして認められるようになり，今後はその有効利用が期待されるエネルギーである．この地中熱を利用するシステムとして地中熱ヒートポンプ（以下GSHP，Ground Source Heat Pump）が注目されている．地中熱ヒートポンプは，一般に節電·省エネルギー性能が高く，CO_2排出量が削減され，それに伴い近年問題となっているヒートアイランド現象の緩和にもつながると考えられる．しかしながら，初期投資コストが高いため日本ではあまり普及が進hでいない．ボアホールの掘削費用は，諸外国比べて高く，また地中熱ヒートポンプも高価である．一般的に必要とされるボアホールの長さは100m～150m程度であるが，これを短縮することができればイニシャルコストの大幅な削減となる。そこで，本研究では，掘削費用と地中熱ヒートポンプ本体にかかる費用を削減するため，既設の井戸をボアホールの代わりとして，市販の水冷式ヒートポンプを改造した地中熱ヒートポンプシステムを開発し，冷暖房時の熱交換性能を調べた．