循環型ワイヤソーを用いた外科医療用装置の開発―ワイヤー位置追尾制御による輪郭加工

摘要

現在使われている主な外科医療用骨切断装置には，ダイヤモンド回転工具，手動ステンレスワイヤソーなどがあるが，それらの装置の使用は外科医にかかる肉体的負担が大きいことが問題になっている．加えてこれらの装置では，骨の直線加工を行うことに限定されているために手術方法が限定されてしまい，手術方法の改善が困難であると考えられる．そのために直線加工に限定されない，高速かつ，高精度の2次元加工を実現する切断装置の開発が重要となっている．このような背景から，高速かつ，高精度の2次元加工を実現する循環型ワイヤソーを用いた外科医療用装置を開発した．高強度のピアノ線の周囲にダイヤモンド砥粒を電着させたワイヤソーを使用し，モータを用いてプーリーを高速循環回転させることにより加工を行う．本報告では，装置の動作原理および制御結果について報告する．