合成油予熱式溶融塩トラフシステムの性能評価

摘要

集光型太陽熱発電（CSP：Concentrated Solar Power）は再生可能エネルギーによる持続可能な社会システムを実現するために重要な技術の一つである。この技術は一般にレンズや鏡や反射板を用いて太陽光を集光し、その熱で水を蒸発させて蒸気タービンを回転させる発電方式である。他の有力な再生可能エネルギーである風力発電や太陽光発電では自然エネルギーは直接的に電気に変換されるため、高価な蓄電設備を用いなければ、その出力はコントロールすることができない。そのため、地域ごとに導入できる量に限界が生じることとなる。一方、太陽熱発電では太陽エネルギーを一旦熱として蓄えることができるため、需要に応じて発電を行うことができる。これにより、バックアップに多少の化石燃料が必要ではあるが、理論的には需要の全てを太陽熱発電で賄うことも可能である。