冷媒／潤滑油混合物の相溶性および相溶構造の分子動力学解析：冷媒分子構造の影響

摘要

冷媒は，冷凍空調機をはじめとして非常に多くの製品に用いられているが，オゾン層保護と地球温暖化防止という観点から，一般的に用いられる冷媒はこれまで大きな変遷を経てきた．例えば，かつて用いられていたCFC（Chloro Fluoro Carbon）は，オゾン層破壊物質でもあり強力な温暖化効果ガスでもあるため，すでに生産，消費が全廃されている．また，同様に HCFC（Hydro Chloro Fluoro Carbon）においても将来的に全廃される予定である．さらに，近年では，GWP（Global Warming Potential，地球温暖化係数）が小さい冷媒が求められている．このように，今後も冷媒は激しく変わりゆくことが予想され，冷媒の変遷に対応した製品設計技術の確立，およびその迅速化が強く望まれる．