出力制御の削減を目的としたPV と蓄電池で構成されるVPP の計画運転手法の提案

摘要

本論文では，2050 年の再エネ主力電源化時において，北海道6 地点を対象としたPV 群および蓄電池を集約したVPPが，出力抑制下で計画運転を行う場合の蓄電池運用手法を提案した．そこで，出力抑制量を変化させた場合の年間の運用シミュレーションを実施し，インバランスや余剰電力の発生量，蓄電池の放電量などを分析結果として得ることができた．さらに，各方針の運用を発電計画や当日運用，SOC推移の観点から詳細な分析を行い，蓄電池を用いた余剰電力の活用方法を明らかにすることができた．また，出力抑制率別のインバランスや余剰電力量の傾向を分析することで，余剰電力を活用した蓄電池の運用によって経済的なメリットが大きくなる可能性が高いことを示した．今後の課題としては，PV の導入量に対する適切な蓄電池容量の設計や系統への調整力提供とのマルチユースを前提とした蓄電池運用について検討することなどが挙げられる．また，本研究で使用したメソ数値予報モデルのデータは京都大学生存圏研究所が運営する生存圏データベースによって収集配布されたものである（http://database.rish.kyoto-u.ac.jp）。なお，本研究はパワーアカデミー研究助成により実施されたものである。