送配電事業者の計画・運用業務効率化に向けた系統エンジニアリング支援システムの開発

摘要

再生可能エネルギーの導入拡大や電力需要の減少・偏在化等，電力系統を取り巻く環境は近年急速に変化している。再生可能エネルギー導入量は，2009 年のFIT 導入を契機に増加を続けており，2030 年の電源構成比率22~24%という目標に向け，今後更なる導入量増加が見込まれる。一方，電力需要は，2011 年の東日本大震災を契機に低迷を続けており，また，地方圏から都市圏への人口流出により地域偏在化も進hでいる。送配電事業者は，これらの流動的かつ不確実な将来環境の下で多様なシナリオを想定しながら，電力系統を高信頼かつ経済合理的に計画・運用することが求められる。しかし，考慮すべき情報量が肥大化する中で，系統信頼度や設備投資・運用コストといった多岐に亘るKPI を網羅的に分析・評価することは困難である。