労働生産性の外的環境依存性: 都市が発展しやすい気候帯は存在するのか

摘要

日本は、長い労働時間で高いGDP を実現しており、今後の労働人口の減少を踏まえても、労働生産性を大きく改善する必要がある。その一つの方法として、労働環境を見直すという策が考えられる。人間には快適に過ごせる温度・湿度があり、例えば以前クールビズ用に設定されていた28 °Cのように非科学的に決められた基準は、労働生産性を著しく低下させると考えられ、科学的に最適な値を定める必要がある。室内環境学概論では、室内環境をコントロールした実験を行い、室温22 °Cが最適と結論づけている（室内環境学会2010）。