無殻培養下における鶏胚の血管のフラクタルパターニング

摘要

鶏胚は発生過程のtime scaleの短さより、drug test、ガンの発達、循環器系などのモデル生物として基礎医学に用いられてきた。しかし、殻内観測による制限や、殻外観測による発生が不安定であることが問題であった。近年では鶏胚を殻外で安定して孵化させる無殻培養法が確立し、この培養法の今後の幅広い応用が期待される。この培養法で観察される血管形成とパターニングは、血管の再構築（ vascular remodeling）や眼底の表面上に形成されるヒト血管のパターニングのモデルとして用いられている。