DFT 計算を用いたテトラベンゾトリアザポルフィリン誘導体の電荷輸送シミュレーション

摘要

有機半導体材料におけるキャリア輸送特性は、隣接分子間のπ 電子軌道の重なりに強く依存することが知られている。図1 に示すテトラベンゾトリアザポルフィリン誘導体C6TBTAPH_2 は、自己組織的にカラム構造を形成し、カラム軸方向のキャリア移動度は正の温度依存性を示すが、その要因は未だ不明である。類縁体でCu 錯体のC6PcCu も同様の正の温度依存性を示すが、Cu の配位に伴う分子面の回転を考慮した量子化学計算により説明された。本研究では、C6TBTAPH_2 の回転角に着目し、密度汎関数理論（DFT）による電荷輸送シミュレーションを行い、キャリア移動度について議論した。