ヒト肺胞上皮細胞株A549細胞におけるSi 粒子の化学的特性の違いが炎症関連遺伝子の発現に及ぼす影響

摘要

大気中の粒子状物質は、単一の化学物質ではなく、様々な成分から構成される混合物である。そのため、物理的、化学的な特性、さらには粒径や組成、発生源は様々である。中でも、粒子の特性と有害性の関係は未だ十分に理解されているとはいえない。本研究では、粒子の化学的特性の違いが炎症応答反応に与える影響を理解することを目的に、官能基を付加したシリカ（Si）ナノ粒子をヒト肺胞上皮細胞株であるA549 に処置し、主に炎症関連分子に関する遺伝子発現解析を実施した。そして、官能基特異的に変動する遺伝子について探索した。