交流電界下における鉱油および植物系絶縁油中の水滴挙動

摘要

今回は交流電界下において変圧器油（鉱油）およびFR3(植物系絶縁油）中に多数存在する水滴の挙動を明らかにするため，ディジタル顕微鏡を用いて観察を行った。その結果，電極に付着したり高電界部に誘引されたりした水滴は振動・分裂を繰り返して微細化，霧状となり，さらにブリッジを形成する様子が確認できた。また，FR3よりも変圧器油の方が水滴の動きは激しく，微細化やブリッジ形成が容易に生じ，さらに微細水滴の対流ゃ全路破壊も発生しやすいことがわかった。これらの原因については，粘度や飽和水分量の違いによるものであると推測される。今後は直流電界下においても水滴挙動の調査を行う予定である。