電鉄用変電所における変電設備の耐雷性診断法の一検討

摘要

本稿では，避雷器接地線に雷を模擬する電流を注入し，各変電設備の接地線電位に着目しフィールド試験を行った。避雷器動作と接地特性を考慮した際の既設変電所が耐え得る侵入雷電流，および障害を低減する絶縁設計·協調について検討した結果，今回対象とした変電所では耐雷強度に問題ないことを確認した。対象変電所は，避雷器接地線の太径化·短縮化および導電性コンクリートを敷設する対策をすでに講じており，その効果に起因するものと考えられる。また，既設設備の耐雷強度は，実フィールド設備に模擬雷を注入した場合の実測結果をもとに評価することが可能であることを示した。