被災の可能性がある居住者の不安の軽減効果を考慮した自立分散型エネルギーシステムの費用便益評価

摘要

本研究では、アンケート調査によりライフラインの途絶回避による居住者の被災可能性に対する不安の軽減価値を推計した。また、ケーススタディを行い、不安の軽減価値を考慮した自立分散型エネルギーシステムの費用便益配分にっいて検討した。得られた知見を以下に示す。(1) 電力、水道、ガスの途絶回避への支払意思額は、仮想評価法による結果では各ライフラインの使用料金の5%程度の金額、コンジョイント分析法ではそれよりも大きな値となった。ライフラインの途絶回避による便益を測るときには、「居住者の支払い意向を測りたいとき」「途絶回避により居住者が感じる価値を測りたいとき」といった目的に応じて適切な評価手法を選定する必要がある。