化管法·化審法·水濁法で指定された生態影響物質のターゲット分析による下水中での探索

摘要

化学物質の包括的な管理が求められるようになって久しいが、とりわけ、生態影響を有する物質が対象となるケースが増えている。化管法の第一種·第二種指定化学物質や化審法の旧第三種監視化学物質、水濁法の要調査項目では、多数の化学物質がリストアップされており、これらの環境リスクを調べるためには環境モニタリングが必要になる。また、下水道普及率の向上により、公共用水域における水質改善が進hだ一方で、多様な物質が下水に流入するようになってきており、適切な対応が必要となる。本研究では、生態影響物質として国内法で指定されている物質のリストを作成し、下水試料を親水性と親油性基を併せ持つポリマー固相で吸着脱離して得たサンプル中に含まれる物質を、GC-MSあるいはLC-MS/MSを用いて同時分析し、下水中にどのような生態影響物質が実在するかを調べたので報告する。