執務机のレイアウトを自由に変更可能なオフィスにおける知的照明システムの執務机の周辺照明特定手法の提案

摘要

我々はオフィスにおける執務者の執務快適性の向上を目的とした知的照明システムの研究を行なっている．知的照明システムは各執務者の机上面に照度センサを設置し，執務者が希望する照度を実現する．執務机のレイアウトを自由に変更可能なオフィスに知的照明システムを導入する場合，各執務者が希望する照度の実現および照度実現に要する時間を高速化するために執務者の近くの照明（近傍照明）を抽出する必要がある．我々は，近傍照明を抽出する手法として行列探索[1]を提案した．行列探索は，照明光度を変化させた際に照度センサが計測した照度データを基に照度変化量を算出し，近傍照明を決定する．照度は光源から照度センサまでの距離と照明光度によって決まるため，照明と照度センサの距離が近いほど照明光度変化による照度変化量が大きくなる．しかし行列探索の途中に歩く人の影が照度センサへかかった場合，照明光度変化による正確な照度変化量を計測できない．それにより，照度センサに近い照明を抽出できない場合がある．本研究では，行列探索の途中に歩く人の影が照度センサへかかった場合でも照度センサに近い照明を抽出することを可能とする新たな行列探索手法の提案を行う．