山形県米沢市における県外避難者の住生活実態に関する研究:みなし仮設居住者の実態を中心に

摘要

本研究は、福島県からの県外避難者が多い、山形県米沢市のみなし仮設住宅の住生活実態について明らかにすることを目的とする。東日本大震災（ 2011）では、災害救助法に基づくみなし仮設住宅が積極的に活用され、被災者の住まいの貴重な受け皿として機能している。過去の災害と比して、東日本大震災においては、1）応急仮設住宅に占めるみなし仮設住宅の割合が極めて高いこと、更にそれが広範囲に、被災地外においても供給された点や原発災害による被災者（住宅被害のない被災者）への供給が行われたことが特徴である。こういった、みなし仮設住宅の居住者実態については、被災3県では積極的に検討されているものの、原発災害により県外への脱出を強いられた避難者たちの特殊な実情については明らかにされていない。