ＢＩＭによる複数の維持管理業務を対象とした建築情報モデルの階層構成:キャンパスFM 業務モデルに関する研究その43

摘要

国立大学は法人化に伴い、独自の裁量に基づく施設運用管理方法が求められている。特に大学法人のように多くの施設を保有する場合、施設を群としてとらえ管理する体制が必要である。一方、建築業界ではBIM（BuildingInformation Modeling）が注目されている。 BIMとは3次元CAD（以下BIM対応3DCAD注1））を用いて3次元形状モデルに、部材に関する様々な情報を関連付けることで（以下建築情報モデル）、情報の一元管理を行う考えである。BIMは現在、設計・施工段階等の実務において普及し始めているが、維持管理段階における利用は進hでいないのが現状である。本研究室では平成22年度より、BIMによるFM支援に関する研究を行っているが、これまでの建築情報モデルの仕様および利用方法の検討は単一業務を対象としたものあり、複数業務に対応していなかった。そこで、本研究では複数業務に同一の建築情報モデルを利用する観点から、各FM関連業務情報の管理に必要なモデル構成要素を検討し、複数業務に利用可能な建築情報モデルの提案、及び利用方法を検討することを目的とする。また、提案した建築情報モデルを用いた維持管理情報活用ケーススタディを実施し、モデルの有効性の検討を行う。