タイムスタディ調査による急性期病棟の看護行為内容

摘要

高齢化、疾病構造の変化、受療者の意識変化、医療技術の進歩などに伴い、急性期病棟の看護業務は繁忙で複雑化しており、患者の安全確保が困難な状況にある。このような状況は今後一層顕著となるため、限られた医療資源を適正に配分するために、病棟計画や看護配置計画の改善を続けることが求められている。看護業務量を把握して適正化を目指す研究は様々に行われてきた。筆者らはセンシング技術の一つである超音波測位により昭和大学病院呼吸器センターにおいて７日間継続的に全看護スタッフの動線を計測した。142人日、1,464人時間の看護動線が計測された。一方、タイムスタディ調査と呼ばれる、看護行為の内容を行為の生起毎に時系列に記録する実測作業測定法による調査も合わせて行った。これにより全ての看護スタッフについて、いつ、どこで、何を、どれほどの時間行っているかが把握された。本稿では、タイムスタディ調査による時間量で説明される、看護スタッフの看護内容の構成を報告する。