グループワークのコミュニケーションに情報共有ツールが与える影響：実験結果および考察:コミュニケーションを活性化するプロジェクト型学習教室の在り方に関する研究その3

摘要

前編に詳述したグループワーク実験より得られたアンケート回答，被験者アクション，発表評価について，実験群間の差異を検定した．アンケートの情報共有環境に関する設問「（ディスカッションの時）書くスペースの大きさは：1.小さい← 3.丁度良い→ 5.大きい」に対する回答に有意差が認められ（ t = 2.71, df = 22.00, p = 0.01），「 2WH」群: 3.25 >「 2WV」群:2.75となった．これより，ディスカッションの時にはWBを水平に置いた場合はWBを垂直に設置した場合に比べて，書くスペースを少し広く感じていることがわかった．WBを水平に置いた場合，被験者は腕を伸ばさないと書き込むことが出来ない領域が生ずる．このことにより，「 2WH」群では「書くスペースが広い」と感じたと考えられる．「 2WH」群と「 2WV」群との比較では上の項目以外で有意差がみられる項目はなかった．