原広司の住居作品に関する研究:理論と作品の変遷

摘要

本研究は建築家原広司（1936-）の住居作品を考察の対象として、その設計手法を明らかにすることを目的とする。考察の対象は1968年1月から2012年10月までに日本国内で発行された「新建築」、「住宅建築」、「住宅特集」、「都市住宅」、「建築文化」、「建築知識」、「日経アーキテクチュア」、「JA」、「SD」、「GA JAPAN」および、「GAHOUSES」から収集した総数35作品とする(表1)。また『建築には何が可能か−建築と人間と』をはじめとする原の著作35点および論文を参照した。本研究では、平面と立面の形状の変化を明らかにし、各時代における原の設計論と照らし合わせながら、両者の関連性の変遷を追ったものである。