ル・コルビュジエのモデュロールに描かれた身体の図像に関する研究3:ル・コルビュジエの建築図面における身体図像とモデュロール身体図像

摘要

これまでの研究（ *1）で、ル・コルビュジエが「モデュロール」の形成過程において用いた身体図像は、寸法と姿勢を調整することで建築空間と相互補完性を確立していたことを確認した。つぎに同時期設計のふたつの計画を取り上げ、「マルセイユのユニテ・ダビタシオン（以下「ユニテ」）」では居間と外部ロッジア間の窓回りで窓框を座面、窓枠横桟を肘掛けとし、モデュロールに基づく安座姿勢を誘導し内外を繋ぐ部位およびふるまいを再編成したこと、さらに「カップマルタンの休暇小屋〈キャバノン〉（以下「キャバノン」）」では自身（のふるまい）でモデュロール身体の確認を行っていたことから、モデュロール身体の現実空間への適用を確認した。